蛮茶菴

フォト・エッセイ ごまめの歯ぎしり
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# 「あなたが見えない」 lundi 12 juin 2017
婦人之友 五月号
最近のこのブログに目を通してくれた友人から、「婦人之友」五月号に『あなたが見えない』という記事が掲載されてゐることを教へられた。副題は「沖縄・抵抗の現場から 山城博治さんの釈放に思う」である。

届いたメイルの文面から察すると、この雑誌を定期購読してゐて、たまたま掲載されてゐた「あなたが見えない」の記事を読んだやうである。そのあと、これも偶然で、このブログを読み、貼りつけてあつた動画ーー【ノーカット配信】沖縄ヘリパッド移設反対派リーダーが逮捕〜これが暴力行為の決定的証拠だ!【ザ・ファクト】ーーを見たさうだ。

20170612
   < これもひとつの意思表示 >

もうひとつの現実
さうしてその落差に衝撃を受けた、さうだ。

あの手荒に人の頭を扱い押さえつけ、罵声としか思えない言葉を浴びせ続ける態度と執拗さを見てゾッとした。

映像の内容が悲惨だつたり、言葉が辛辣だつたりすると、それが焼きついて、いつまでもそのイメージが残り、しんどくなる、といふのだ。

たしかに映像を見ると衝撃をうける。さらに我慢して、自分のこととして見ると、たしかに自分の息子ぐらいの年齢差の若者の頭を力づくで押さへつけてゐる。

かりに筆者の佐藤直子に子供があり、息子が業務でかういふ場所に行かねばならず、業務中にかういふ仕打ちをうけたとしたら、仕方のないこととして、この事実がないこととして無視できるのか。

多くの人たちは、親からはもちろんのこと、他のだれからも、頭を力づくで押さへつけられるやうな屈辱的な行爲を受けたことは、絶無といつて、ないだらう。

また背後から、頭髪を鷲掴みにし、伏せた顔を無理やり持ち上げておいて、後日公開展示して晒すために、容赦なく顔写真を撮る。もちろん氏名、住所、年齢、職業をも調べ上げて晒すのである。

20170612
   < 無断で人の土地に侵入すれば >

屈辱と恐怖
いかに仕事とは言へ、公然と辱められるこの屈辱感は想像を絶するものがある。これは、心のキズとなつて、生涯消えないのではないか。

最も卑劣なのは、抵抗できないことを承知して、加害に及んでゐることである。それは映像から見て取れる。もし抵抗し反撃しやうものなら、それは逆に格好の攻撃材料になる。

さてこの記事を読んでみた。最初に念頭に浮かんだのは、無名の一個人ならこの記事は掲載されるのか、といふ疑念だつた。逆にいふと東京新聞・中日新聞の論説委員の肩書きをもつ人間が書いたものだから掲載されたのではないか、と思つた。

真実とは
朝日新聞の「私の視点」のタイトルを連想させるこの「視角」、そこに掲載された記事を読むとなんともいへないやり切れなさを感じてしまふ。前回引用したW.リップマンの「真実」はどこにもないのである。

ここでもう一度W.リップマンの真実の働きーー隠されてゐる諸事実に光をあて、相互に関連づけ、人びとがそれを拠りどころとして行動できるやうな現実の姿を描き出すことーーを確認しておく。

あるのは朝日新聞の社説とおなじ「裁き」だ。単純に左を根拠にした、左でないからダメだ、といふ裁きがあるだけだ。

この手のものはプラスチック・ワードといふ正体不明で便利で意味のない言葉を多用する。タイトル「視角」の下に配置されたただ三行の要約を見ただけでも「県民世論」「新基地建設」「沖縄」「市民」と便利な言葉が散らばつて、簡便に使はれてゐる。裏を返せばなにも考へてゐない証である。

20170612
   < この手の意味するものは >

光をあてる
これらの言葉の実態はなにか。言葉の裏に隠されてゐる事実を白日の下に晒していけば、記事とは正反対の事実が描き出されかねない。

その一つの例として、この記事にも写真が掲示されてゐるが、運動方針とし掲げられた「座り込みガイドライン」によると「私たちは非暴力です。コトバの暴力も含め誰もキズつけたくありません」となつてゐる。しかし動画を見ると全く逆のことが行はれてゐる。

この記事でネルソン・マンデラにたとへられる山城博治が、動画で、かう捨て台詞を吐いてゐる。

「つぎ来たら、タダじやすまないぞ。お前さあ、さういふ目つきしたらタダじやおかんよ、小僧!いいかお前、つぎ来たら簡単じやすまんぞ!うちのテントに連れ込むからな!」。

では座り込みガイドラインの言葉ーー「私たちは非暴力です。 コトバの暴力も含め誰もキズつけたくありません」ーーは一体なんなのか。意味のない言葉を並べただけの文でしかない。

20170612
   < 口癖 私たちの税金で >

矜持はどこに
W.リップマンの言葉を首肯するのなら、ジャーナリストは隠された事実に光をあて、真実を人びとに知らせるのではなかつたか。肩書きからすると佐藤直子はジャーナリストだ。そのジャーナリストが、ジャーナリストの矜持をもちあはせてゐない。

この記事はつぎのやうに語つてゐる。「器物損壊、傷害・公務執行妨害、威力業務妨害の4つで起訴されているが、その中身は軽微なものばかり」「那覇地裁前では連日、釈放を求めるデモが行われた。世論の力が保釈へと動かしたのだろう。しかし、山城さんの現場復帰を阻むためか、条件に事件関係者との接触禁止という制限がつけられた」

言質をとらへるやうで触れたくないが、なにをもつて「中身は軽微」と判断するのか。つぎにデモが保釈に結びついたやうに書かれてゐるが、文章が台無しになるからなのか、支払はれた保釈金七百万円のことはどこにも書かれてゐない。

20170612
   < 世論は操作されるもの? >

罪もカネ次第
ところで一般的に保釈金の相場は百二十万円から三百万円といはれてゐる。それが相場の二倍を超える金額を支払つてゐる。その解釈の仕方は二通り考へられる。重罪犯罪か高額所得者か。

山城博治の肩書きは沖縄平和運動センター議長で、これで生計を立ててゐるやうである。プロの政治活動家なのだらう。この職業で七百万円の保釈金が出せるといふことは、人が羨む収入を得てゐるのだらう。

もうひとつは重罪犯罪だといふ考へ方である。さうなると「中身は軽微」とは言へなくなる。単に保釈されたのではなく、保釈金を支払つて保釈されたのだ。このとき、もう一人の逮捕者は保釈金が払へず勾留が続いた。

また保釈中は事件関係者との接触禁止処置はとうぜんなされることであつて、それをわざわざ「現場復帰を阻むためか」と書くのは印象操作だ。

迷惑な関連づけ
多くの人はこの記事の題名になつてゐる『あなたが見えない』といふ歌のことは知らないだらう。この歌は南アフリカの人たちがいつかマンデラ氏を取り戻すのだといふ願ひを込めて獄中にゐたネルソン・マンデラ元大統領の事を歌つた歌ださうだ。

友人はメイルのおはりに、(山城博治に)さういふ「印象」をつけたかつたのか、と書いてあつた。





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