蛮茶菴

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# 責任を問はれるのは朝日新聞社だ その二 dimanche 7 mai 2017
では、つぎに「驚くのはその内容」がどういふものか検証してゆく。

 軍事ジャーナリストを名乗る人物の現地報告は、建設に反対する人たちを遠くから撮影し、「テロリスト」「無法地帯」などと呼んだ。「過激な反対運動の現場を取材」とうたいながら実際には足を運ばず、約40キロ離れたところからリポートした。

この段落まで読んで第一段落冒頭の「事実に基づかず」が具体的になにをさしてゐるのかわかる。「過激な反対運動の現場を取材」と名打ちながら、その現場には足を運ばず、約40キロ離れたところからリポートした。それが「事実」ではない論拠になつてゐる。

この論拠、まるで「どうした」と訊いてくれる大人に、泣きじやくりながら自分の正当性だけを訴へる餓鬼そのもの理窟だ。YouTube で「ニュース女子 #91」の冒頭二十分を見れば、見た人にはこのジャーナリストが現地に行けなかつた理由が伝はつてくるだらう。なぜ足を運べなかつたのか、なぜ四十キロ離れたところからリポートせざるをえなかつたのか、がわかるだらう。

またここで「特定の人々」の正体もわかる。「差別」と「偏見」といふ言葉を用ゐるから、どういふ人のことをいつてゐるのかと思へば、(高江ヘリパッド)建設反対運動をする人たちのことをさしてゐるのだ。よりによつて「特定の人々」とは、捻りを入れて、上手く言つたものである。

20170507
   < 希望を見つけるのか >

さらにこの期に及んで、つぎのやうに言ひ募る。

 不可解きわまりない「取材」であり、論評である。

取材のあり方を問題にするのなら、この社説といふ作文を書いて時間を潰してゐる人自らが現地に赴き、取材して、取材の手本を見せれば済むことである。地元二紙ーー琉球新報と沖縄タイムスーーの記者は問題なく取材できて、本土のジャーナリストが取材できないのはなぜか。

いついかなる時も支援してくれる地元二紙には取材させ、立場が異なると取材させない。これこそ偏見と差別だ。取材させない理由が立場を異にするからでは説明にならない。

取材させたくない不都合があるのなら、その不都合を取材してもよい都合に変へて行く必要がある。

『思考と行動における言語』を読めば「二値的」「多値的」といふ言葉に出会ふ。悲しいかな朝日新聞のこの社説は、二値的な考へ方の範囲を一歩も出てゐない。不勉強そのものである。それどころか二値的な考へ方に固守し、精鋭化し、さらに原理主義化し、兇暴化してゐる。さうなると衝突は必然で避けられない。悲しいかなこの社説と同じで悲惨な結末の現場が見えてしまつてゐる。

20170507
   < 飲み込まれるままに任せるか >

人間の智慧は一体どこへいつてしまつたのか。二値的思考に陥ると人間が人間でなくなる。どこかの教授だといふ人が「貴様は人間じやあない、ぶつ殺してやる!」と怒鳴つてゐ映像がある。歴史を持ち出すまでも及ばない。人間が人間でなくなつたから、かう叫べるのだ。もし仮に冷静に振り返られる時が持てるのならば、恥ずかしくて自分の昔を直視できないだらう。

ところでここでもう一点、「取材」についてだが、日頃「取材してわかつた」とよく聞く。しかしこれがほんとうに「取材」なのか。「取材」の名に値するのか。おおいに疑問がある。

なぜといつて設けられた場で一方的に「発表」される事柄を聞いて、それを録音し、それを「取材」といつて憚らない。これが「取材」としてまかり通つてゐる日常がある。

「取材」を問題にするのなら、一人のフリージャーナリストの「取材」を問題にする前に、多くの正社員身分のジャーナリストが日常的に行つてゐる発表を聞いくだけの、「取材」のあり方こそ問題にするのが先決だ。

反対派の人たちの殺気で、足を踏み入れられなかつた取材、もう一方では一方的に発表される現場にたちあふ「取材」、どちらが取材と言へるのか。


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